美容点滴とは

美容点滴や美容注射とは、美肌に有効な成分を血管内に直接取り入れることで、美肌効果が期待できる施術です。
美肌や美白、疲労回復、ストレス緩和、体調不良の改善も見込めます。
美容点滴や美容注射で取り入れる有効成分は、一般的に内服薬やサプリメントで補う成分と変わりありません。
ただし、血液中の血中濃度を上昇させて、全身の美容成分を行きわたらせます。

毎日の食生活やサプリメントでは、十分に有効成分を取り入れられない成分があります。
美容点滴や美容注射は、効果的な成分を直接体内に入れることで、身体の内側から美しさをサポートします。

美容点滴は、美容注射に比べて時間がかかりますが、その分多くの成分を注入することができるため、高い効果を期待できます。

美容点滴・美容注射の種類とは

プラセンタ注射(点滴)

プラセンタとは、「胎盤」のことを意味しており、胎盤から抽出された栄養素を注入する方法です。
また、プラセンタは、更年期障害によるほてり、イライラ、のぼせ、不眠、気分の落ち込みといった症状を緩和させるために保険適用になります。
美容目的で施術するプラセンタは保険適用外になりますので、ご注意ください。

更年期障害は、漢方やホルモン補充療法が多いですが、プラセンタによる治療もあります。
ホルモンバランスを整えたり、自立神経のバランスを保ったりする働きがあり、特に更年期に急激に減少するエストロゲンの材料を増やす働きがあります。

そのため、保険適用外になりますが、生理不順やPMSの治療にも有効とされています。

プラセンタの中には「たんぱく質」「アミノ酸」「ビタミン」「成長因子」「酵素」などが豊富に含まれています。
これらは、美肌効果や若返り効果が期待できる成分で、加齢によって不足する栄養素を補給し、新たな細胞が活発化するため、いつまでも若々しくいたい方に欠かせない成分です。

プラセンタにはさまざまな効果が期待できますが、美肌や肌のハリを保ちたい方におすすめの成分です。
また、自然治癒力を高める働きや更年期障害や皮膚疾患の方にも効果が期待できます。

プラセンタには、ヒト由来の成分と、豚や羊などの動物由来の胎盤がありますが、医療期間で使用されるプラセンタは、ヒト由来の成分ですので、ご安心ください。

プラセンタのデメリットとは

献血ができなくなる

プラセンタはヒト由来の胎盤から成分を抽出しています。
そのため、厚生労働省のきまりでプラセンタの点滴や注射を受けた方の献血は禁止されています。

ホルモン治療の効果が低減する場合がある

プラセンタの施術をすると、ホルモンバランスを調整するため、ホルモン治療を行っている場合には、効果が低減する場合があります。
そのため、ホルモン治療を行っている方は、プラセンタの施術をする前に教えていただくようお願いしています。

高濃度ビタミンC注射(点滴)

ビタミンCにはさまざまな効果が期待できますが、人間が自分自身で作りだすことはできません。
ビタミンCの十分な効果を得るためには、2~5g程度の摂取が必要ですが、ビタミンCは水溶性で、尿として排出されてしまうため、効率的に摂取することが難しい成分です。

免疫力の向上

ビタミンCは、体内のウイルスや病原菌を排除する「白血球」の働きを強化して、免疫力をアップする効果が見込めます。
また、リンパ球の働きを活性化して抗ウイルス作用がある成分を増加しますので、ウイルス性の感染症や風邪などの予防効果があります。

生活習慣病の予防

血中のコレステロールが高くなると、動脈硬化になりやすくなり、「心筋梗塞」「脳梗塞」「狭心症」のリスクが高まります。
ビタミンCは、動脈硬化を促進する「活性化脂質」の生成を抑制して、血中のコレステロール値を低下させる働きがあります。
また、過剰なコレステロールを胆汁酸に変えて排出する働きもあり、糖尿病の方は血糖値が改善します。

がん予防

がん予防にビタミンCが注目されており、高濃度ビタミンC点滴の抗酸化作用ががん細胞の発生を抑える働きが期待されています。

高濃度ビタミンCの点滴をすることにより、血中のビタミン濃度を上げることで、全身にさまざまな効果が期待できます。
高濃度ビタミンCには、メラニンの生成を抑制して、しみを防ぐ効果や活性酵素を除去して新陳代謝をよくして、くすみの改善効果が期待できます。
さらに、美白や美肌の効果も期待ができます。
コラーゲンの生成で肌のたるみや小じわも防いでくれるため、エイジングケアにも適しています。また、免疫機能を高める効果があるため、風邪の予防などにも効果的です。

そのほかには、お酒で二日酔いになりやすい方にも疲労回復効果があるため、効果が期待できるでしょう。

高濃度ビタミンC点滴のデメリット

高濃度ビタミンC点滴には、デメリットがほとんどありません。
ただし、薬剤を点滴するため、まれにのどの渇きや吐き気、下痢などの症状が出る場合があります。
また、点滴の針を刺す時の痛みが伴います。
のどの渇きは水分を補給することで改善することがほとんどです。

白玉注射(点滴)

白玉点滴には、「メラニン」の生成を防ぐ効果が期待できるため、透明感のある白い肌へと導いてくれます。
また、メラニンは髪の毛や肌の色を構成する黒い色素で、紫外線を浴びると生成します。
そして、メラニン色素は、肌へのダメージを抑制する働きがある一方で、過剰に生成されるとしみや肝斑の原因になります。

白玉点滴は、美白効果が高い「グルタチオン」をいう成分を高配合しており、美白を目的としたお肌に有効な点滴です。
グルタチオン酸は動植物に含まれており、抗酸化物質の1つで、代謝酵素の働きをサポートしています。
このグルタチオン酸は、私たちの身体の中にも多く含まれていますが、20代をピークに減少して、補わない限り増えることがありません。

グルタチオンは、抗酸化作用によって過酸化脂質を還元させて排泄する働きがあるため、アンチエイジングに対して効果が高い成分です。
しかし、水溶性のため、内服薬で摂取してもあまり吸収が期待できないので、全身に行き渡らせるためには、点滴や注射が効果的です。

白玉点滴のデメリット

ほとんどデメリットのない白玉点滴ですが、美白効果を求めた場合の即効性は見込めず、数回の施術が必要です。
白玉点滴はデトックス効果や疲労回復効果であれば、すぐに効果は見込めますが、美白効果を望む場合には、回数を重ねるごとに美白効果を実感しやすくなります。

にんにく注射(点滴)

にんにく注射は名前で勘違いされがちですが、にんにくが入っているわけではありません。
配合しているビタミンB1の成分がにんにくの成分のため、注射をしている時に「にんにくのにおい」がするため、にんにく注射と呼ばれるようになりました。

疲労回復効果

ビタミンB群は、疲労物質である乳酸を分解する働きがあるため、疲労回復に効果が期待できます。
また、ビタミンB1は、エネルギーの代謝と深く関係しており、糖質が体内に入るとブドウ糖に分解されます。
この過程でビタミンB1が使われるのですが、ビタミンB1が不足してしまうと、糖分からエネルギーを作り出すことができません。
そうすると、疲労物質がたまってしまいます。

にんにく注射でビタミンB1を効果的に摂取すると、血液の成分から全身に行き渡るため、身体や脳にエネルギーが供給されやすくなります。
そうすると、血流もよくなり、蓄積している疲労物質もエネルギーに変換して除去ができるため、肩こりなどにも効果が期待できます。

二日酔いの改善効果

ビタミンB1は、二日酔いの改善効果も期待できます。
アルコールを摂取すると、アセトアルデヒドという物質に分解されますが、この分解する過程でビタミンB1が使われます。
アルコールには、ビタミンB1を排出する働きもあるため、ビタミンB1が不足している状態で多くのお酒を飲むと、アセトアルデヒドが分解されにくくなり、二日酔いの原因になります。
にんにく注射でビタミンB1を補給することで、代謝の働きを促して、二日酔いの予防に効果が期待できます。

ダイエット効果

先ほども少しお話しましたが、ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きがあります。
しかし、ビタミンB1が不足して、エネルギーに変換できないと蓄積して脂肪に置き換わってしまうので、肥満の原因につながってしまいます。

ビタミンB1を供給することで、エネルギーに変換しやすく、代謝も促進されるため、ダイエットをしている方にも有効です。
合わせて、ご自分に合った運動を取り入れることで、より効果が期待できるでしょう。

美肌効果

にんにく注射には美肌効果も期待でき、ビタミンB群には肌の新陳代謝を促す働きやしみやそばかすの原因になるメラニンの生成を抑制します。
また、にんにく注射にはビタミンCも含まれており、抗酸化作用が期待できるため、美白効果や美肌効果に有効です。

にんにく注射の効果を実感しやすくするためには

にんにく注射は血液中に直接成分を入れるため、効果が実感しやすい施術です。
ただし、体内の取り込めるビタミンB1の量は決まっており、過剰に摂取しても体外に排出されてしまいます。
そのため、長い期間効果を持続させることが難しい施術です。

にんにく注射の間隔は比較的短く、疲労感を感じた時や二日酔いがつらい場合に施術することをおすすめしています。
定期的に施術をする場合には、1~2週間程度の間隔で施術が可能です。

にんにく注射のデメリット

にんにく注射の成分は、ビタミンB1なので、水溶性でほとんど副作用はありません。
注射の際に針がチクっとする感じがある程度です。
ただし、薬剤なので個人差はありますが、以下の症状が出る場合があります。

  • 下痢
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 尿が近くなる
  • 発疹

これらの副作用が出ることはまれですが、万が一副作用が現れた場合でもにんにく注射を中止することで改善します。
アレルギー体質の方はあらかじめご相談ください。

【まとめ】

美容点滴は、血液に直接成分を入れることで、サプリメントより効果を実感しやすいメリットがあります。
美容点滴にはいくつか種類があり、それぞれ期待する効果が異なります。
そのため、患者さまのお悩みやご希望を伺った上でよりよい美容点滴をご提案いたします。
各種美容点滴をご希望の方はお気軽にご相談ください。